デンマーク司法省は１日、同国自治領グリーンランドで拘束された反捕鯨団体「シー・シェパード」創設者、ポール・ワトソン容疑者について、７月３１日に「日本当局から正式な身柄引き渡し要請を受けた」と明らかにした。
司法省は産経新聞の取材に対し、現在は日本側から要請を裏付ける形で書類が届くのを待っている段階だと説明した。書類がそろった後、「引き渡し要請を拒否する根拠が見つからなければ、グリーンランド警察に案件を送致する」という。警察が自治領法に沿って引き渡しの根拠を巡って捜査したうえで、司法省が決定を下すとしている。
一方、フランスのシー・シェパードは声明で、団体メンバーが７月２９日に勾留中のワトソン容疑者と面会したと発表した。「彼は元気だ。何も後悔していない」と状況を伝えた。釈放要求には、６５万件以上の署名が集まったとしている。８月１５日の勾留期限を前に、フランスや米国などで身柄引き渡しに反対するデモが計画されている。
ワトソン容疑者は日本の捕鯨船「関鯨丸」の操業を妨害するための航海でグリーンランドに寄港し、７月２１日に地元警察に身柄を拘束された。