ロシアのプーチン大統領は6日、新型の中距離弾道ミサイル「オレシニク」を来年後半にも軍事同盟を結ぶ隣国ベラルーシに配備できるとの見通しを示した。プーチン氏はオレシニクに関し、大量破壊兵器ではないが、複数発を使用した場合の破壊力は核兵器に匹敵すると改めて主張した。
ベラルーシの首都ミンスクでルカシェンコ大統領と会談後、共同記者会見で発言した。これに先立ってルカシェンコ氏は、安全保障の強化を目的に「オレシニクをベラルーシに配備してほしい」と要請。プーチン氏は「オレシニクの量産や露軍への配備が進む来年後半にはベラルーシにも配備できる」と述べた。
両首脳はこの日、「全ての戦力と手段」で相互の安全を保障するとの新たな条約に署名した。
ロシアは先月21日、ウクライナが欧米諸国から供与された長射程兵器で露領を攻撃したことを受け、報復としてオレシニクをウクライナ東部に発射した。
ロシアとベラルーシは近年、核兵器を含む軍事協力を強化。ロシアは昨年、ベラルーシに戦術核兵器を配備したほか、今年11月には核兵器の使用指針を定める国家文書を改訂し、ベラルーシをロシアの「核の傘」に入れた。(小野田雄一)