【ロンドン＝黒瀬悦成】正体不明の芸術家、バンクシーが５日から英首都ロンドン市内の各所で５日連続で新作を公表した。バンクシーがこれほどの頻度で作品を公表するのは珍しいとされ、インターネット上では作品に込められたメッセージをめぐり、さまざまな解釈が飛び交っている。
９日に公表された作品は、２羽のペリカンが魚を食べようとしている様子がロンドン北東部ウォルサムストーにある魚料理店の壁面に描かれている。
バンクシーがソーシャルメディアに写真を投稿し、自身の作品だと公表した。制作の意図は明かしていないが、ウォルサムストーでは７日、極右勢力による反移民暴動を封じるための住民らによる対抗デモが実施されており、関連を指摘する声もある。
描かれた動物は、５日が１匹のヤギ、６日が２頭のゾウ、７日が３匹のサル。
８日公表の作品は、屋外の衛星アンテナに１匹のオオカミが遠吠えする様子が描かれていたが、公開数時間後に複数の男たちに持ち去られた。