ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ軍参謀本部は14日、露軍が北朝鮮兵を前線での突撃作戦に投入し始めたと発表した。場所はウクライナ軍が越境攻撃で一部を占領下に置いた露西部クルスク州で、14日までにウクライナ軍のドローン(無人機)攻撃などにより、露朝兵の混成部隊が「200人規模」の損害を出しているとした。
ウクライナが北朝鮮兵の具体的な死傷者数に言及するのは初めて。参謀本部によると、北朝鮮兵は露軍の海兵隊や空挺(くうてい)部隊に編入され、突撃任務に参加しているという。
ウクライナのゼレンスキー大統領も14日のビデオ声明で「かなりの数」の北朝鮮兵が突撃任務に加わり、相当数の損失を出していると指摘。現時点で北朝鮮兵が戦闘に参加しているのはクルスク州だけだが、将来的に別の前線にも投入されうるとの情報もあるとした。
1万1千人規模とされる北朝鮮兵は10月、ロシアに入国。大部分はこれまでクルスク州の露軍施設などで戦闘訓練を受けてきたとされる。ロシアは北朝鮮兵で兵力を増強し、同州の早期奪還につなげる構えだ。
一方、ウクライナの軍事メディア「ディープステート」は今月14日、攻防が続くウクライナ東部ドネツク州クラホボの議会庁舎を露軍が占領したもようだと報告。露軍による市全域の制圧が近づいていると伝えた。