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シリア北部、反体制派が攻勢 アレッポの「半分」支配下に アサド政権と露は空爆で応戦

産経ニュース 2024年11月30日 19時17分

【カイロ=佐藤貴生】内戦中のシリアでアサド政権側と反体制派の激しい戦闘が起き、英BBC放送(電子版)は30日、反体制派がシリア第2の都市である北部アレッポのおよそ半分を支配下に置いたと伝えた。反体制派が内戦の激戦地だったアレッポに入ったのは政権側が制圧した2016年以来となる。

ロイター通信によると政権側と後ろ盾のロシアは30日、アレッポと周辺地域の反体制派を空爆した。政権側はアレッポの空港や市内に通じる道路を封鎖し、反体制派の封じ込めを急いでいる。

ペスコフ露大統領報道官はこの日の空爆前に、アサド政権を支持すると明言し、「早急に対象地域の秩序を回復する」と述べていた。

内戦でアサド政権を支えるレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラはイスラエルの攻撃を受けて弱体化が著しく、11月27日に停戦が発効したばかり。ロシアもウクライナ侵略への対応に忙殺されているのが実情で、こうした状況を受けて反体制派が攻勢に出たとの見方もある。

シリア人権監視団(英国)によると、反体制派は27日にアレッポや北西部イドリブで攻勢を開始、これまでに民間人20人超を含む計約280人が死亡した。国連当局者は、シリア北部一帯で激しい攻防が再燃したことを受け、事態悪化に強い懸念を表明した。

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