Infoseek 楽天

G7国防相が初会合で共同宣言 中国の台湾周辺演習に「懸念」 インド太平洋の重要性確認

産経ニュース 2024年10月20日 11時31分

【ナポリ(イタリア南部)=黒瀬悦成】イタリア南部ナポリで19日開かれた初の先進7カ国(G7)国防相会合は、ウクライナ侵略戦争を巡る中露の連携や中東情勢などの国際的懸案に結束して対応していくことを打ち出した共同宣言を発表して閉幕した。

共同宣言は「自由で開かれたインド太平洋地域が世界の繁栄と安全保障に極めて重要だ」とする認識に立ち、インド太平洋諸国との連携強化を確認した。

同時に、台湾海峡の平和と安定の維持が国際社会の安全と繁栄に不可欠であるとし、台湾周辺で中国軍が最近実施した軍事演習への懸念を表明した。中国による南シナ海での航行の自由の妨害や中国海警局の巡視船による他国の漁船への体当たりなどを批判した。

中谷元防衛相は会合で「欧州・大西洋とインド太平洋地域は不可分だ」と強調し、「同盟国と連携して抑止力・対処力を高めていく」と表明したことを記者団に明らかにした。

共同宣言はまた、ウクライナへの「揺るぎない支持」を表明。ウクライナの主権と独立、領土保全が尊重された「公正で永続的な平和」に向けG7が鍵となる役割を果たすとした。

ロシアについては「世界に対立を持ち込んで不安定化させ、ハイブリッド戦争を展開し、核使用をめぐる無責任な言辞を弄している」と非難した。

ウクライナのゼレンスキー大統領が公表した対露戦勝計画で求めている、米欧製の長射程兵器によるロシア領内への越境攻撃の制限解除についての言及はなかった。

イスラエル軍とパレスチナ自治区ガザのイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘に関しては、即時停戦と人質の全面解放、人道支援の拡大を要求。イエメンの親イラン民兵組織フーシ派による攻撃から船舶を保護することを確認したほか、イスラエル軍に攻撃された国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の安全を脅かす行為への懸念も表明した。

同時にイランによるイスラエルへの軍事攻撃を非難し、ハマスやフーシ派など傘下の武装勢力に対する支援の自制を求めた。

この記事の関連ニュース