【ロンドン=黒瀬悦成】香港総督やオックスフォード大総長などを歴任し、昨年の秋の叙勲で旭日大綬章を受けたクリストファー・パッテン氏(80)への伝達式が30日、ロンドンの在英日本大使公邸で行われた。
パッテン氏は1992~97年、中国に返還前の「最後の香港総督」として香港の政治的民主化と日英の関係強化に貢献した。
99~2004年には欧州委員会委員を務めたほか、03~24年7月にはオックスフォード大総長として日英の学術・文化交流の促進に力を尽くした。
09年9月からは世界の卓越した芸術家に贈られる高松宮殿下記念世界文化賞(公益財団法人日本美術協会主催)の国際顧問を務めている。
親族や友人ら約40人が見守る中、鈴木浩駐英大使から証書の勲記を手渡されたパッテン氏は檀上で演説し、「日本の方々に大きく支えられてきました。日本とは素晴らしい関係を築くことができたと思います」と謝意を示した。
また、オックスフォード大総長だった昨年6月、同大に留学経験のある天皇皇后両陛下を学窓に迎えた思い出など、保守党の若手下院議員だった時代から約半世紀近くにわたる日本との関わりを披露した。
世界文化賞については「日本が西洋文明に与えている影響の大きさを象徴しています」と指摘した上で、主催の日本美術協会と協力社のフジサンケイグループの「文化的な貢献」を高く評価した。