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バチカンが中国との暫定合意を4年延長、接近の意思示す 過去のトラブルには言及せず

産経ニュース 2024年10月23日 17時30分

【パリ=三井美奈】ローマ教皇庁(バチカン)は22日、中国と司教任命権を巡って結んだ暫定合意を4年延長すると発表した。合意は2018年に結ばれ、延長は3度目。延長期間はこれまでの2倍に広げられ、バチカンの対中接近への強い意欲を示した。

バチカンは22日、「中国におけるカトリック教会と全国民の利益を考慮し、双方の関係発展に向けて、中国側と敬意ある建設的対話を続ける」との声明を発表した。合意締結から6年間で、バチカンは中国で十数人の司教を任命し、中国はバチカン任命の聖職者を否認する立場を一転したと成果を主張した。中国外務省は22日の記者会見で、「双方が成果をたたえ、延長に合意した」とした。

暫定合意の内容は非公開。中国とバチカンが、司教任命で共同組織を作る仕組みを定めたとみられている。合意期間は20年と22年、それぞれ2年間の延長が発表された。

バチカンは、昨年4月に中国が上海で司教を「相談なく任命した」と非難した。米民間団体の調査では18年以降、10人の聖職者が中国政府公認組織への帰属を拒否して迫害されているが、バチカンの22日の声明はこうした案件には言及していない。教皇フランシスコは今年8月、中国メディアを通じてメッセージを発表し、中国訪問への強い希望を示している。

中国とバチカンは1951年に断交。中国は政府公認のキリスト教団体を通じて独自に司教を任命し、バチカンと対立してきた。

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