ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は9日、「この10月から12月は、平和と永続的な安定を築くチャンスとなる。戦況（の改善）は、遅くとも来年中に戦争を終わらせるための決定的な行動を選択する機会を生み出す」と述べた。東欧クロアチアで出席した「ウクライナ・南東ヨーロッパ首脳会議」での発言をウクライナ大統領府が発表した。
ゼレンスキー氏はまた、先に米国に提示したロシアに対する「戦勝計画」の要点として、北大西洋条約機構（NATO）がウクライナの将来的な加盟を約束することが含まれていると表明した。ゼレンスキー氏は、NATOがウクライナの将来的な加盟を約束した場合、ロシアは「地政学的に敗北」し、ウクライナ支配という野望を断念せざるを得なくなるとする考えを示した。
ゼレンスキー氏の一連の発言は、来年中に対露戦争を終結させるためには、今後数カ月間での集中的な軍事支援やNATOへの招待を含む外交的決断が不可欠だと欧米諸国に訴えたものだとみられる。（小野田雄一）