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EU加盟巡るモルドバ国民投票、賛否拮抗 大統領選は決選投票へ

産経ニュース 2024年10月21日 8時25分

旧ソ連構成国モルドバで20日、大統領選(任期4年)が行われた。中央選管によると、開票率約98%の時点で、どの候補者も過半数の票を獲得しておらず、決選投票による決着が確実となった。同時に行われた欧州連合(EU)加盟を国家目標として憲法に明記することの是非を問う国民投票では賛否が拮抗(きっこう)している。暫定投票率は51・6%。

モルドバでは親欧米派と親ロシア派の政治勢力による政権交代が相次いできた。11人が候補者登録された大統領選では、2期目を目指す親欧米派のサンドゥ現大統領が41・7%の得票率でトップ。親露派政党の支援を受ける元検事総長、ストイアノグロ氏が26・3%で2位につけた。ただ、どの候補者も過半数の票は獲得できず、来月3日に両者の決選投票が行われることが確実となった。

EU加盟方針の憲法明記を巡る国民投票では、「賛成」が50%、「反対」が50%となり、予断を許さない状況。賛否拮抗の要因としては、経済的に弱いモルドバがEU加盟に伴い経済的混乱に直面する事態を有権者が懸念した可能性がある。

国民投票が反対多数となった場合、2020年の前回大統領選で親露派候補に勝利して親欧米路線を進め、22年にモルドバの「EU加盟候補国」の地位獲得を実現したサンドゥ氏にとって大きな政治的打撃となる。

大統領選と国民投票を巡り、モルドバ当局や米国は事前に「ロシアと親露派がサンドゥ氏と国民投票に反対票を投じさせるため有権者買収や情報操作を試みている」などと非難。ロシアは否定していた。(小野田雄一)

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