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パリ五輪村のヘルシー食堂、「肉を出せ!」不満続出で計画修正 「東京はよかった」の声も

産経ニュース 2024年7月31日 14時15分

パリ五輪選手村の食堂を巡り、各国選手団から「肉が足りない」といった不満が相次いでいる。大会組織委員会は「地球にやさしく健康的なメニュー」を誇ってきたが、29日には「700キロの卵や肉を投入し、動物性タンパク質を増強する」と発表し、計画を一部修正した。

パリ五輪は、地球温暖化対策を看板に掲げる。選手村食堂も地産地消にこだわり、野菜中心の料理を重視している。メニュー作りにはレストラン格付け本「ミシュラン」の三つ星シェフが参加。大会組織委は開会前に「アーティチョークのピュレ添えクロワッサン」など凝った料理を公開し、美食大国フランスの実力を見せると意気込んだ。

だが、英国オリンピック委員会のアンソン最高経営責任者(CEO)は英紙タイムズで、「卵や鶏、炭水化物が足りない。大胆な改善が必要」と不満を示した。食堂の混雑も問題になっており、ある英代表選手は「食事は極めて重要なのに、期待したように組織されていない。東京五輪はうまくいっていたのに」と述べたという。

特に利用者が集中する時間帯には、肉類がすぐに品切れになるようだ。ドイツではホッケー男子代表のマッツ・グランブシュ選手が大衆紙ビルトで、「食堂では信じられないくらい長い時間、待たされる。ピーク時に手が回っていない。同じ時間に利用者が殺到するので、質も量もよくない。残念だ」とこぼした。

大会組織委は、動物性タンパク質の追加投入は、選手たちの要求を受けた措置だと強調している。

パリ五輪は、温室効果ガスの排出量を従来の大会の半分に抑えることを目標に掲げる。大会組織委は食堂について、食材から動物性タンパク質を減らして野菜や果物を多用し、食材の80%をフランス産にすると発表していた。(三井美奈)

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