ウクライナ空軍は21日、東部ドニエプロペトロフスク州の州都ドニプロの企業や重要インフラを標的として、ロシア軍が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含む複数のミサイルによる攻撃を実施したと発表した。2022年2月のウクライナ侵略の開始後、露軍によるICBMの使用が確認されたのは初とみられる。ウクライナ空軍は犠牲者や重大な被害に関する情報は入っていないとしている。
ウクライナ空軍は露軍が発射したICBMの種類に言及していない。ただ、ICBMは核弾頭の搭載を前提として設計されている。ウクライナが米国や英国から供与された長射程ミサイルによる露国内攻撃に踏み切ったと伝えられる中、ロシアは核兵器による反撃を警告するためにICBMを発射した可能性がある。
プーチン露大統領はこれに先立つ今月19日、ロシアの核兵器の使用基準を定める国家文書を改訂。ドローン(無人機)や巡航ミサイルなど多数の通常兵器がロシアに発射された場合、ロシアは核兵器で反撃できるなどと規定していた。
ウクライナ空軍によると、21日の攻撃で露軍はICBMのほか、航空機発射型の極超音速ミサイル「キンジャル」なども発射した。
ロシアのペスコフ大統領報道官は、ロシアがICBMを発射したとのウクライナ空軍発表について「話すことは何もない」と述べた。