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ロシア軍のミサイル誤射説も浮上 カザフスタンの旅客機墜落、死者は38人に

産経ニュース 2024年12月26日 9時4分

中央アジアの旧ソ連構成国カザフスタン西部アクタウ近郊で25日に起きたアゼルバイジャン航空機の墜落で、カザフ政府は同日、乗員乗客67人のうち38人が死亡したと発表した。生存者29人は病院に搬送された。カザフメディアが伝えた。墜落原因を巡っては、鳥との衝突のほか、ロシア軍の防空ミサイルに誤射された可能性なども指摘され、カザフ当局は「現時点で断定できない」として専門家による調査に乗り出した。

同機はアゼルバイジャンの首都バクーから露南部グロズヌイに向かっていた。カスピ海上空で緊急信号を発信し、進路を変更してアクタウの空港に着陸を試みたものの、墜落したとされる。乗員は全員アゼルバイジャン人で、乗客としてアゼルバイジャン人のほかロシア人やカザフ人、キルギス人が搭乗していた。

墜落原因を巡り、アゼルバイジャン航空は当初、同機が鳥と衝突したとする暫定的な見方を発表。カザフメディアも「エンジンに鳥が衝突した後、機内で酸素ボンベが爆発した」とする生存者の証言を伝えた。

ただ、その後、墜落した機体に弾痕のような複数の穴が開いていたとする映像が拡散。一部メディアは、軍事専門家の間で「ウクライナ軍のドローンが着弾した」「ドローンを迎撃中の露軍の防空ミサイルに誤射された」などの可能性が指摘されていると伝えた。グロズヌイでは同日、ウクライナ軍のドローン攻撃があり、露軍の防空システムが稼働していたという。

撃墜説が浮上したことに対し、カザフ政府高官は「早急に結論を出すべきではない」として専門家による原因究明を急ぐと表明。アゼルバイジャンのアリエフ大統領も「さまざまな墜落原因が指摘されており、徹底的に調査すべきだ」と述べた。(小野田雄一)

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