【パリ=三井美奈】ドイツのショルツ首相は6日、米大統領選で勝利宣言したトランプ前大統領をX(旧ツイッター)で祝福し、米独関係の意義を強調した。「ドイツと米国は長年、大西洋両岸で繁栄と自由のためにともに働き、成果をあげた。われわれの市民の幸福のため、これからもそうでありたい」と呼びかけた。第2次トランプ政権の発足で両国関係が悪化することへの不安がドイツで広がっていることが背景にある。
ドイツは在欧米軍が司令部を置き、欧州最大の経済大国でもある。だが、トランプ氏は2017年の就任後、北大西洋条約機構(NATO)でドイツの防衛費負担が少ないことに不満を表明。当時のメルケル独政権と関係が悪化した。
トランプ氏が国内産業保護のため、輸入品に高関税をかけると公言していることもドイツには懸念材料となっている。トランプ氏は先月末、欧州連合(EU)について「彼らはわれわれの車や農作物を買わずに、膨大な量の車を売っている。代償を払わせる」と発言していた。ドイツの自動車産業を念頭に置いた発言とみられている。