ロシア国防省などの発表によると、ウクライナ軍の部隊が７日までに露西部クルスク州に越境攻撃を行い、激しい戦闘が続いている。露軍のゲラシモフ参謀総長は７日、クルスク州に侵入したのは１千人規模の部隊で、航空戦力も投入して撃退に当たっていると述べた。
戦闘が起きているのはクルスク州のスジャ地区。ウクライナ経由で欧州に天然ガスを送るパイプラインの拠点施設があり、これを巡る攻防が起きている可能性がある。
これまでウクライナ側で参戦するロシア人義勇兵の部隊が露西部ベルゴロド州に越境することはあったが、クルスク州への地上部隊の侵入は異例。越境攻撃としては過去最大規模だとの指摘も出ている。
クルスク州当局は国境地帯での非常事態を宣言。プーチン露大統領は７日、国防・治安当局の幹部らと緊急会合を開いて対応を協議した。ゲラシモフ氏は、ウクライナ兵１００人以上を殺害し、戦車７両などを破壊したと主張した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は７日夜のビデオ声明で越境攻撃に触れず、「できるだけ効果的かつ着実に敵を打ち砕き続けることが重要だ」と述べた。露主要メディアによると、スジャ地区を通る天然ガス輸送に変化は出ていない。