ロシアのラブロフ外相は14日、年頭記者会見を首都モスクワで開き、国連安全保障理事会の常任理事国入りを求めている日本とドイツについて「米国に追随するだけで、いかなる独自の見解も持っていない」と述べ、日独の常任理事国入りに否定的な立場を示した。ロシアの侵略下にあるウクライナを支援する日独に対するロシアの敵対心を改めて示した形。
ラブロフ氏は一方で「国連安保理の改革は必要だ。なぜなら国際的な経済・政治・軍事に責任を持つ国々の全てが安保理で代表権を持っているわけではないからだ」と主張。インドやブラジル、アフリカの代表を常任理事国入りさせるべきだと述べた。インドやブラジル、アフリカはウクライナ情勢を巡って中立的な立場をとっている。
ラブロフ氏はまた、「日本は料理から儀式に至るまで、暮らしぶりにおける繊細さで(他国から)際立ってきた」と述べた。その上で「こうした繊細さは、ロシアとの関係においてはどこかに消え去ってしまった」と主張した。
ラブロフ氏は20日に就任式を控えるトランプ次期米大統領にも言及。トランプ氏が米大統領に正式に就任し、ウクライナ情勢に関する正式な立場を打ち出した後に「ロシアはそれを検討する」とした。また、プーチン露大統領とトランプ氏の会談について「ロシアは米国からの具体的は提案を待っている」と述べ、前向きな姿勢を示した。(小野田雄一)