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ロシア軍事費21兆円規模へ 25年予算案 歳出の3割 「戦勝」へ全力

産経ニュース 2024年10月1日 9時22分

ロシア政府は9月30日、2025年の国家予算案を下院に提出した。タス通信などが伝えた。兵器調達や軍隊運営などに充てる軍事費には、24年予算の約1・3倍となる13兆5千億ルーブル(20兆8600億円)を計上。軍事費が国内総生産(GDP)に占める割合は約6・3%となり、過去最高を更新した。軍事費は歳出全体(41兆5千億ルーブル)の約3分の1を占めた。

ロシアの軍事費はウクライナ全面侵攻を開始した22年に4兆7千億ルーブル、23年に5兆ルーブル、24年に10兆4千億ルーブルと右肩上がりに増加。軍事費がGDPに占める割合は侵攻前、3%台後半~4%台前半にとどまっていた。軍事費の増加に応じて教育や社会保障への支出は削減傾向が続いており、ロシアは国力を挙げて「戦勝」を達成する構えだ。

軍事費増大の背景には、ウクライナの戦場で死傷する兵士が増大する中、露国防省が高額報酬を約束した契約兵による兵力補充を進めていることや、戦死者の遺族や負傷兵らに支払う見舞金の増加などがあるとみられる。

25年予算案では、軍事費と、国内治安対策や諜報などに充てる国家安全保障費を合わせた国防関連費に計16兆7千億ルーブルを計上。国防関連費が歳出全体に占める割合は約4割に上った。歳入は40兆3千億ルーブルとし、赤字分は国債発行など借入金で賄う。(小野田雄一)

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