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ウクライナ、18~24歳の志願兵に370万円支給などの優遇措置 兵力不足の解消図る

産経ニュース 2025年2月12日 8時33分

ロシアの侵略を受けるウクライナのウメロフ国防相は11日、18~24歳の国民が軍に志願した場合に各種の優遇措置を与える新たな制度を同国政府が開始したと発表した。優遇措置は、一時金として100万フリブナ(約366万円)の支給や除隊後の高等教育の提供、住宅ローン金利の無償化などを規定。過去3年間にわたる戦闘で疲弊しているウクライナ軍は志願兵を増やし、兵力不足の解消につなげる思惑だ。

ウメロフ氏は「1年間の契約で報酬は計200万フリブナに達する可能性がある」と指摘。契約を満了した国民には国外渡航の自由や動員を1年間免除される権利なども与えられると説明した。

ウクライナは昨年、従来は27歳だった軍への動員年齢を25歳に引き下げるなど一連の動員規則の改正を行った一方、18~24歳の国民に関しては自発的な志願を除き軍に入隊させてこなかった。米国からは「18~24歳の国民も動員すべきだ」との指摘も出ていたが、ウクライナは若者の戦死者増や国内の反発を懸念し、18~24歳の動員に否定的な立場を示してきた。

ウクライナは今回、18~24歳の志願兵に対する優遇措置の導入により、国内の反発を招きうる動員を避けつつ戦力を補充する構えだ。優遇措置の導入案は、同国のゼレンスキー大統領が今月、ロイター通信のインタビューで言及していた。

前線の戦況を巡り、露国防省は11日、ウクライナ東部ドネツク州の集落1カ所を新たに制圧したと主張した。ウクライナ軍参謀本部は11日、露南西部サラトフ州の製油所をドローン(無人機)で損傷させたと報告した。(小野田雄一)

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