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アラン・ドロンさん 日本で突出した人気「まるで神のよう」 仏メディアが訃報で注目

産経ニュース 2024年8月21日 12時4分

フランス映画界のスター俳優、アラン・ドロンさんが18日、88歳で亡くなった。仏各メディアは追悼記事で各国の反響を伝えるとともに、ドロンさんが日本では「まるで神のよう」に強い人気があったことに注目した。

パリジャン紙(電子版)は、「なぜフランスのスターが日本でこれほど崇拝されたのか」と題した記事で、かつての熱狂的な人気を報じた。日本でドロンさんは「男性の理想像であり、フランスの粋を体現する」存在だったと紹介。1986年の訪日時の様子を当時の報道をもとに、「ドロンさんを見ようと、数百人もの若者が柵を乗り超えようとした。車列を走って追いかけた」「失神しそうになった女性もいた」と振り返った。ドロンさんが日本で多くの広告に起用され、テレビ番組に出演したことにも触れた。

日本での人気については、ドロンさんは生前のインタビューで「私は日本で生き神のようだった」と語っていた。写真誌パリマッチ(電子版)は、「ドロンは日本では今も神なのか」と題した記事で、「ドロン神話」に迫った。

同誌は東京・神保町の古書店に並んだ映画雑誌の写真とともに、ドロンさんのファンは60歳以上に高齢化していると伝えた。映画はテレビの回顧特集で放映される程度で、「いまの日本の若者はKポップ歌手を夢見ており、母親や祖母たちを陶酔させたフランス人のことを知らない」「時代は変わり、神も変わった」と報じた。

フィガロ紙は、ドロンさんが1996年にテレビ番組で語った日本人観を伝えた。ドロンさんは司会者に日本での人気について尋ねられ、「30年間にわたる愛情の歴史がある。日本人は私を一体化していた」と回答。「日本人は肌の色や人種に小さな劣等感を抱いており、白人にあこがれている。もし白人になれたら、アラン・ドロンになりたいと思っている」とも述べていた。(三井美奈)

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