ロシアによるウクライナ侵略で、最激戦地である東部ドネツク州の都市ポクロフスクのドブリャク市長は30日、露軍が同市まで約7キロの距離に迫っているとし、防衛の準備に向けて同市を「封鎖」すると発表した。ウクライナメディアが伝えた。ドブリャク氏は、ドネツク州のウクライナ軍の重要防衛線の一角であるポクロフスクを巡る攻防戦が近く始まるとの認識を示した形だ。
ドブリャク氏によると、防御拠点を構築中の地区への住民の出入りを禁止するほか、住民避難を進める。市内には現在、子供55人を含む住民約1万2000人が残っているという。
ポクロフスク方面を巡っては、露国防省が29日、近郊の小都市セリドボを制圧したと主張。露軍が近く本格的なポクロフスク制圧に乗り出すとの観測が出ている。
ドネツク州全域の掌握を狙う露軍は現在、ポクロフスクのほか、チャソフヤルやリマンなど複数の方面で攻勢を継続。ウクライナ軍の防衛線を突破し、同州の主要都市クラマトルスク方面への進軍ルートを確保する思惑だとみられている。
一方、露国防省は30日、ウクライナ東部ハリコフ州クピャンスク方面の集落クルグリャコフカを制圧したと主張した。同集落を巡ってはウクライナ国防省が10月中旬、露軍を集落内から駆逐したと発表していた。