【キーウ=黒瀬悦成】ロシアに侵略されたウクライナのゼレンスキー大統領は24日、国民向けビデオ演説を発表した。ゼレンスキー氏は、同国の独立記念日にあたるこの日がロシアによるウクライナ侵攻開始から2年半となるのを踏まえ、プーチン露大統領に対し「あなたは勝てない。そして全ての責任を取らされる」と述べ、勝利への決意を改めて強調した。
ゼレンスキー氏は、今月上旬からのウクライナ軍による露西部クルスク州への越境作戦について「ロシアがわが国土に仕掛けたことを、そのまま敵にはね返した」と主張した。その上で「(モスクワの)赤の広場の老いぼれが赤い(核の)ボタンを使って脅迫と指図をするのではなく、私たちウクライナ国家とウクライナ人自身が自らの生き方と未来を決めていく。それが独立というものだ」と強調した。
ゼレンスキー氏は24日、国際刑事裁判所(ICC)の設立条約であるローマ規程の批准書に署名した。これによりウクライナは正式にICCの加盟国となり、一連のロシアによる侵略行為での戦争犯罪への追及を強めていく構えだ。
また、ゼレンスキー氏は同日、先にウクライナ最高会議(議会)が可決した、ロシアとの関係が問題視されるウクライナ正教会のモスクワ総主教庁系の活動を禁じる法案に署名し発効させた。