【ニューヨーク=平田雄介】国連総会(193カ国)の第1委員会(軍縮)は1日、日本が提出した核兵器廃絶決議案を賛成多数で採択した。ロシアのウクライナ侵略や中東危機を巡り、核使用の恐れが強まる中、核保有国に対して「核の不使用」と「扇動的な威嚇の自制」を要請した。同種の決議採択は31年連続。
核保有国の米国を含む51カ国が共同提案国となり、英国など145カ国が賛成した。反対はロシアと中国、北朝鮮、イランなど6カ国。イスラエルやインド、パキスタン、フランスなど29カ国が棄権した。
決議は、今年のノーベル平和賞受賞が決まった日本原水爆被害者団体協議会(被団協)について「被爆の実相」を長年伝えてきたと言及。軍縮・不拡散教育に取り組むよう各国に求めた。
決議はまた、各国に対して、高濃縮ウランやプルトニウムなどの兵器用核分裂性物質(FM)の生産状況の透明性を高める措置を要請した。北朝鮮の核・ミサイル計画の「完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄」に向けて取り組むと再確認した。