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ニュージーランド、観光税を9000円に3倍増 「外国人客も自然保護で負担を」と政府

産経ニュース 2024年9月4日 11時54分

南太平洋のニュージーランド政府は3日、10月1日から外国人旅行者に課す観光税を約3倍に増額し、100NZドル(約9000円)とすると発表した。自然保護区やインフラの維持や復元のため、観光客にも負担を求める狙いがある。

ドーシー観光相は声明で、外国からの観光客受け入れには「インフラに負担がかかり、自然保護区の維持管理も必要。地元住民の代償を伴う」と指摘した。政府は2019年に「国際来訪客保護観光税」を導入し、外国人客に35NZドル(約3100円)の支払いを求めたが、現実には納税者が負担の多くを担ってきたとして理解を求めた。

観光業界から増税による影響を懸念する声が出ているが、ドーシー観光相は「100NZドルは、外国人客の滞在中の出費の3%以下に過ぎない。客足に打撃を与えることはない」との見通しを示した。近隣のオーストラリアや太平洋の島しょ国からの来訪者は観光税を免除されている。

米CNNによると、観光税を導入しているのは世界で約60カ国。最近はオーバーツーリズム対策で導入する動きもある。インドネシアのバリ島は今年2月から、外国人客に15万ルピー(約1400円)の観光税を課している。

ニュージーランドは広大な自然観光で人気があり、ファンタジー映画「ロード・オブ・ザ・リング」「ナルニア国物語」のロケ地として知られる。昨年は約300万人の外国人客が訪れた。国の人口は520万人。

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