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メキシコで初の女性大統領就任 治安、財政、米国への不法移民への対処が課題

産経ニュース 2024年10月2日 11時25分

【ニューヨーク=平田雄介】メキシコで1日、左派クラウディア・シェインバウム前メキシコ市長(62)が女性として初めて大統領に就任した。「政治の師」と仰ぐ左派ロペスオブラドール前大統領の下で悪化した治安や財政の立て直し、国境を接する米国との間で抱える不法移民への対処が課題とされている。

シェインバウム氏は国会での大統領就任式で宣誓し、「性別が運命を決めず、願いがかなうと夢見た人たちと共にある。今こそ女性の時代だ」と語った。任期は6年。

シェインバウム氏は環境工学者の出身。メキシコ市長時代のロペスオブラドール氏に見いだされて政界に入った。自らも2018~23年にメキシコ市長を務め、今年6月の大統領選に立候補。ロペスオブラドール氏の「格差解消」政策の継承を訴え、野党連合候補に大差をつけて勝利した。

ただ、低所得者向けのバラマキ施策を続けたロペスオブラドール氏からは「1980年代以来最多の財政赤字」(ロイター通信)も受け継いだ。

シェインバウム氏も支持して9月に導入が決まった裁判官を原則として選挙で決める「判事公選制」は、麻薬カルテルなど犯罪組織の支援を受けた候補が裁判官に当選する恐れがあり、治安のさらなる悪化につながるとの懸念が絶えない。

米国では11月の大統領選に向け、共和党候補のトランプ前大統領と民主党候補のハリス副大統領の双方が、メキシコから不法越境してくる移民に厳しい対処方針を示す。

メキシコで生産された車に100%の輸入関税を課すと主張するトランプ氏が返り咲いた場合の対処も課題とされる。

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