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ADB総裁に神田真人前財務官擁立を正式発表 鈴木俊一財務相「アジアに精通」

産経ニュース 2024年9月10日 12時17分

鈴木俊一財務相は10日の閣議後記者会見で、アジア開発銀行(ADB)の次期総裁候補に、政府として内閣官房参与で前財務官の神田真人氏(59)を指名することを正式に発表した。ADBは9日、浅川雅嗣総裁が2025年2月23日付で辞任すると発表していた。1966年のADB発足以来総裁の座は日本人が担い続けており、政府はアジア太平洋地域での影響力を維持したい考えだ。

鈴木氏は会見で神田氏について、先進7カ国(G7)における議論を取りまとめるなど「国際的な合意形成や国際機関の運営の経験が豊富だ」と指摘。アジア太平洋諸国の事情にも精通しており「ADB総裁には最も適任な人物と考えている」と述べた。

神田氏は財務省で予算編成を担う主計局などを経て、今年7月までの約3年間、国際部門の責任者である財務官を務めた。在任中は急激な円安への対応として、24兆円規模に上る円買いドル売りの為替介入を実施した。

ADBはアジア太平洋地域の経済発展に貢献することを目的に設立された。歴代総裁は全員日本人で、神田氏と同じく財務官を務めた浅川氏のほか、前日銀総裁の黒田東彦氏も歴任した。

総裁は加盟国による選挙で選ばれる。アジアでの影響力拡大を目指す他国が候補者を擁立するかに注目が集まる。鈴木氏は「今後各加盟国に対し、神田氏への支持を働きかけていきたい」と述べた。

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