Infoseek 楽天

北朝鮮が「憲法」に基づき南北の陸路を「完全封鎖」と表明 「韓国は第1の敵対国」明記か

産経ニュース 2024年10月17日 10時24分

【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮中央通信は17日、朝鮮人民軍総参謀部が15日に韓国と北朝鮮を結ぶ道路や鉄道を爆破して「完全封鎖」したと伝えた。同通信は、韓国を「徹底した敵対国家」と規定した憲法の要求と、敵対勢力の政治・軍事的挑発による深刻な安全保障環境に端を発した「必然的で合理的な措置だ」と強調した。

韓国軍が15日に道路と鉄道の爆破を確認していたが、北朝鮮が公表するのは初めて。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は、韓国とは「敵対的な2国家関係」だと主張し、南北統一政策の放棄を表明。1月にこうした方針の憲法への反映を指示した。

今月7~8日に国会に当たる最高人民会議が開かれたが、2国家論に基づく改憲は公表されなかった。今回の発表からみて、韓国を「敵対国家」と位置付ける改憲が行われたもようだ。ただ、具体的な条文などには触れられていない。

総参謀部は9日に陸路の遮断と防御用構造物による要塞化工事を予告していた。北朝鮮国防省報道官は「封鎖された南部国境を永久に要塞化するための措置が引き続き講じられる」と説明した。

北朝鮮は最近、韓国の無人機が平壌上空の領空を侵犯したとも主張。韓国との軍事境界線付近の部隊に砲撃準備態勢を整えるよう指示したとし、無人機が再来すれば、「宣戦布告とみなす」と警告している。韓国を「徹底した敵対国家」とする国家方針をより明確に内外に向けて打ち出したことで、今後、軍事的緊張を高める姿勢を一層高めていくとみられる。

この記事の関連ニュース