【ソウル=桜井紀雄】韓国国防省の国防情報本部は30日、ロシアに派兵された北朝鮮の朝鮮人民軍部隊について、一部の先発隊がウクライナ軍と戦闘中の前線に投入された可能性があるとの見方を示した。報告を受けた国会議員が明らかにした。「正確な情報はまだない」とも説明した。
米CNNテレビは29日、西側当局者の話として、少数の北朝鮮兵がウクライナ国内に入ったと報じた。当局者の1人は「相当数が活動を始めているようだ」と語った。ウクライナのどこに入ったかは不明。ウクライナ軍との激戦地、露西部クルスクに北朝鮮軍が入ったのは確認されている。
北朝鮮の部隊による実際の交戦が確認されるかが焦点となっており、米韓当局は戦況を注視している。一部欧州メディアは「北朝鮮兵に戦死者が出た」と報じたが、国防情報本部は「裏付ける情報はない」と報告した。
北朝鮮部隊について同本部は、本国から離れた慣れない地域で言語の問題もあり、独自に戦闘を遂行するのは難しいと指摘。ロシア軍との混合編成になる可能性が高いとの分析を示した。