【ソウル＝桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は1日、同国が10月31日に発射した大陸間弾道ミサイル（ICBM）について、最新型の「火星19」だと報じた。昨年12月に発射した固体燃料式の新型「火星18」とともに運用する「最終完結版のICBMだ」とも主張した。
発射に立ち会った金正恩（キム・ジョンウン）総書記は、今回の発射実験の「成功」でミサイル開発において「われわれが確保した覇権的地位が絶対不可逆だと世界に示した」と強調した。
5日の米大統領選を前に、米本土を射程に収めるICBMの能力を確保したと誇示する狙いとみられる。
同紙によると、火星19は最高高度7687・5キロに達し、1001・2キロの距離を85分56秒間飛翔して目標水域に着弾。「戦略ミサイル能力の最新記録が更新された」としている。日本の防衛省も31日、北朝鮮がこれまで発射したICBMの中で飛翔時間は最長、最高高度も最も高いとの分析を示していた。
発射実験には、名前がキム・ジュエとされる金正恩氏の娘も同行した。
同紙は、火星19について「侵略行為を抑止し、国家の安全を確実に守る第一の核心主力手段」になると伝えた。また、片側11輪の過去最大級の移動式発射台からICBMが打ち上がる場面の写真などを掲載した。
火星19も火星18と同様に、液体燃料式と比べて迅速な発射が可能な固体燃料式とみられる。