北朝鮮の人権をテーマにした映画上映会と脱北者による講演会が26日、日比谷図書文化館(東京)で開催された。主催者は産経新聞の取材に、「映画と証言を通じて、北朝鮮の人権状況を日本や国際社会に伝えたい」と述べた。
韓国ソウルで2021年から毎年、国際映画祭を主催している民間団体、ラクスパーが日本で初めて企画した。上映作品は、北朝鮮の暮らしの実態や脱北の道のりなどを描いたドキュメンタリー2作品と国際映画祭の公募受賞作の短編4作品。
団体の許銀道(ホ・ウンド)総監督(63)は産経新聞の取材に、北朝鮮の人権状況の改善のため、「脱北者1人ひとりの声を映画を通じて国際社会に広めることで、北朝鮮に圧力をかける効果がある」と狙いを語った。
北朝鮮の人権映画を5作品製作してきた李龍南(イ・ヨンナム)監督(52)は、朝鮮戦争で北から1人避難した祖父から北朝鮮や残した家族への思いを聞いて育った。李氏は「拉致被害者を持つ日本と、同じ民族同士の韓国は北朝鮮に向ける視線は違うが、人権問題を解決する目的で連帯できる。脱北者の証言に耳を傾けてほしい」と述べた。
最終日の27日は、午後6時10分から映画3編を上映する。無料。(石川有紀)