石破茂首相と韓国の尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は2日、石破首相の就任後初めて電話会談し、日本人や韓国人拉致問題など、北朝鮮の人権問題の解決に向けて協力を続けていく方針を確認した。北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応するため、日韓や日米韓で一層緊密に連携することでも一致した。日韓両政府が発表した。
石破首相は「現下の戦略環境の下、日韓の緊密な連携は不可欠であり、日韓関係をさらに発展させていきたい」と強調。尹氏と「緊密に連携していくことを楽しみにしている」と述べた。
尹氏は、石破首相の就任に祝意を伝えた上で「両国は価値や利益を共有する重要な隣国かつパートナーであり、首脳同士が緊密に意思疎通し、協力を深めていこう」と呼びかけた。
両首脳は、岸田文雄前首相と尹氏が昨年から再開した相互の国を行き来するシャトル外交を継続させ、可能な限り早い時期に直接会って意見交換する考えも示した。
国交正常化60年を迎える来年に向け、現在の良好な日韓関係を持続可能なものとしていくためにともに取り組んでいく考えも確認した。
電話会談は午後3時15分から約15分間行われた。（ソウル 桜井紀雄）