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韓国大統領警護処トップが出頭、辞任「衝突防ぐ答え得られず」尹氏の拘束令状執行に影響も

産経ニュース 2025年1月10日 19時23分

【ソウル=桜井紀雄】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が宣布した「非常戒厳」を巡り、合同捜査本部による尹氏の身柄拘束を阻止した大統領警護処の朴鍾俊(パク・ジョンジュン)処長が10日、警察に出頭した。朴氏は大統領公邸で警護を強化し、拘束を阻止する姿勢を示していたが同日、大統領権限を代行する崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相兼企画財政相に辞表を提出し、受理された。

3日に公邸で警護処要員約200人を指揮し、内乱容疑での尹氏の拘束令状執行を阻んだ朴氏に対し、警察は特殊公務執行妨害容疑で2度出頭を求めたが朴氏が応じず、3度目の出頭要請をしていた。捜査本部は朴氏が3度目の要請にも応じなければ、拘束令状を取って強制捜査に乗り出し、尹氏の拘束令状執行にも踏み切るとの観測が出ていた。尹氏を「死守」してきた警護トップの辞任が今後の捜査にどう影響するか注目される。

朴氏は出頭に先立ち、記者団に「物理的な衝突や流血事件が起きてはならないと考えた」とし、崔氏に政府機関同士の仲裁を申し入れたと説明。尹氏の弁護団にも代案を求めたが、いずれも「相応の答えを得ることができなかった」と述べた。

警護処は、公邸に大型車両を並べたバリケードや鉄条網を増設して「要塞(ようさい)化」。捜査本部は尹氏への令状執行に向け大規模な警察部隊の投入を検討しているとされ、衝突が懸念されている。

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