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北朝鮮兵、また南北境界線侵犯 脱北者団体はビラ30万枚散布…高まる緊張

産経ニュース 2024年6月21日 15時18分

【ソウル=時吉達也】韓国軍合同参謀本部は21日、北朝鮮兵数人が20日午前に南北軍事境界線を約20メートル侵犯したと明らかにした。兵士らは韓国軍の警告射撃などを受けて北側に戻った。北朝鮮兵による境界線侵犯は今月に入り3回目。

韓国軍関係者によると、境界線周辺の非武装地帯(DMZ)では最近、約10カ所にそれぞれ数十~数百人の北朝鮮兵が動員され地雷の埋設や荒れ地の造成が進められており、「侵犯事案は今後もたびたび発生する可能性がある」という。

一方、韓国の脱北者団体「自由北韓運動連合」は21日、北朝鮮の体制を批判するビラ30万枚や韓国ドラマの映像が入ったUSBメモリー5千個を20日夜に大型風船で北朝鮮側に飛ばしたと発表した。

金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キムヨジョン)党副部長は21日に談話を発表し、「(北朝鮮側が)やらなくてもよかった仕事が生じるのは当然だ」と対抗措置を示唆。南北間の緊張が高まるのは避けられない情勢だ。

北朝鮮は脱北者団体のビラ散布に反発し、5月末~6月上旬、ごみをぶら下げた風船1600個超を韓国側に飛ばした。韓国政府はこれに対抗し、境界線付近で大音量スピーカーを使った北朝鮮向けの宣伝放送を約6年ぶりに再開させた。

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