【ロンドン=黒瀬悦成】北大西洋条約機構(NATO)は28日、ロシアによるウクライナ侵略に関し、北朝鮮がロシア支援に向けて軍部隊を派兵した問題を話し合うための臨時会合をブリュッセルのNATO本部で開き、韓国の代表団から派兵の実態について説明を受ける。
説明にはNATOのインド太平洋地域のパートナー国である日韓とオーストラリア、ニュージーランドの大使も出席する。会合後にNATOのルッテ事務総長が声明を発表する。
韓国情報機関の国家情報院(国情院)によると、ルッテ氏が21日に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と電話会談し、北朝鮮軍の派遣に関する情報の共有を要請していた。
国情院は、北朝鮮がロシアに移動させた兵士らの人数が既に3000人に達したとしている。米政府高官によると、兵士らは10月上旬~中旬に船で極東ウラジオストクに向かい、ロシア入りしたとみられている。
北朝鮮軍のロシア派遣をめぐっては、オースティン米国防長官が23日に「証拠がある」と発言。25日にはウクライナのゼレンスキー大統領が、北朝鮮軍の戦闘地域への展開は27、28日にも実施されるとの見通しを示した。