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「常識じゃないか」尹大統領が反論、国会投入の韓国軍司令官が国会議員の排除指示を証言

産経ニュース 2025年2月6日 18時10分

【ソウル=桜井紀雄】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が昨年12月に「非常戒厳」を宣布後、国会に投入された軍部隊を指揮した当時の司令官が6日、憲法裁判所で開かれた尹氏の罷免の可否を決める弾劾審判に証人として出廷し、尹氏から議員の排除を直接指示されたことを証言した。尹氏の違憲行為を示す証言として審判の流れを左右する可能性がある。

第6回弁論のこの日、国会へ投入された部隊を指揮した郭種根(クァク・チョングン)陸軍特殊戦司令官(当時)は、尹氏から電話で「早く入って議事堂の人たちを連れ出せ」と指示されたと検察が記した自身の調書の内容は事実か質問され、「そうだ」と認めた。「人たち」の意味については「当然、国会議員だと理解した」と答えた。

国会議員による戒厳解除要求決議の可決を阻むよう尹氏が直接命じたことになるため、戒厳を巡る最大の焦点の一つとなっている。

尹氏側や金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相は部隊要員を退かせろという指示だったと主張している。出廷した尹氏は、もし議員の排除指示だったなら「現状では不可能だと答えるのが常識ではないか」と声を高めて反論した。

国会に最初に投入された特殊部隊を率いたキム・ヒョンテ大佐も証言に立ち、指示された任務は「国会議事堂と議員会館の封鎖と建物の確保だった」と述べた。部隊が議事堂に侵入後、郭氏から「150人を超えてはダメだ」と電話で指示されたとも証言。国会の定員300の過半の議員を議場に入れさせるなという意味だったとみられる。

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