【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮外務省省報道官は、ルビオ米国務長官が米メディアとのインタビューで、北朝鮮を「ならず者国家」と発言したことを巡り、「重大な政治的挑発と見なし、強く糾弾する」とする談話を2日付で発表した。朝鮮中央通信が3日に報じた。
トランプ米政権の発足後、北朝鮮当局者が米閣僚を名指しで批判するのは初めて。
談話は、トランプ政権でも変わることのない「米国の対(北)朝鮮敵視政策を改めて確認する契機となった」と指摘。「今後も米国のいかなる挑発行為も決して黙過せず、強力に対応していく」と警告した。
トランプ大統領は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記との対話の再開に意欲を示すが、北朝鮮は米国への警戒感を崩しておらず、トランプ政権の出方を注視しているもようだ。
共和党上院議員を務めてきたルビオ氏は、北朝鮮による拉致問題に強い関心を示すなど、北朝鮮への強硬な姿勢で知られる。
談話は、ルビオ氏の「政治的性向」に照らせば発言は新しい内容ではなく、「われわれへの好ましい言葉が出てきたなら、もっと驚くだろう」と記した。