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日本人含む159人死亡の韓国雑踏事故、当時の警察署長に実刑判決 「予防できた人災」

産経ニュース 2024年9月30日 19時30分

【ソウル=桜井紀雄】韓国ソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)で2022年10月、日本人2人を含む159人が死亡した雑踏事故で、ソウル西部地裁は30日、安全対策を怠ったとして、業務上過失致死傷などの罪に問われた当時の地元警察署長、李林宰(イ・イムジェ)被告に禁錮3年(求刑懲役7年)の実刑を言い渡した。

同じく業務上過失致死傷罪などに問われていた地元自治体の竜山(ヨンサン)区長、朴熙英(パク・ヒヨン)被告に対しては無罪(求刑懲役7年)とした。

地裁は、李被告の判決理由として、メディア報道や現場からの報告を総合すれば、ハロウィーンに合わせ、傾斜路地に人が殺到して押し合い、深刻な危険が生じることが予見できたとの判断を示した。その上で、事故は「自然災害ではなく、各自が職務上の注意義務を果たせば、予防できた人災であることを否定できない」と強調した。

朴区長に対しては、法令上、主催者がいないイベントに関し、安全管理計画を立てなければならないといった義務規定はなく、刑事上の過失は問えないと結論付けた。現場を管轄する自治体トップへの無罪判決に対し、遺族らは強く反発している。

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