Infoseek 楽天

韓国大統領が演説で自由に基づく統一ビジョンを表明、北朝鮮に拉致問題の協議も提案

産経ニュース 2024年8月15日 11時9分

【ソウル=桜井紀雄】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は15日、日本による朝鮮半島統治からの解放を記念する「光復節」の政府式典で演説した。尹氏は自由や人権といった普遍的価値に基づく新たな南北統一ビジョンを表明。統一に向け、国際社会と連帯するためのフォーラムの創設を明らかにした。

尹氏は、祖国と主権の回復を意味する「光復」は未完だと指摘。北朝鮮を含む「朝鮮半島全体に国民が主人の自由民主統一国家がつくられるその日こそ、完全な光復が実現する」と主張した。

その上で、韓国の若者世代への統一教育の拡充や、北朝鮮の劣悪な人権状況を国際社会に知らせる取り組みの強化策などを盛り込んだ統一戦略を発表した。北朝鮮の人権問題の改善に向けた民間の活動を支援するための「北朝鮮自由人権ファンド」も立ち上げる。

北朝鮮に対しては「対話の扉を開けておく」とも呼びかけ、南北の実務者による「対話協議体」の設置を提案。拉致被害者ら北朝鮮に抑留された人々の問題についても協議する意向を示した。

演説の大半を統一問題に充て対日関係を巡る具体的な言及はなかった。

独立運動家の子孫らでつくる団体や野党は、政府系の独立記念館の館長に「親日派」を任命したと反発。政府式典への出席を拒否し、別に式典を開くと表明するなど、激しい対立も起きている。

この記事の関連ニュース