【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮メディアは9日、国会に当たる最高人民会議が7、8両日に平壌で開かれたと報じた。憲法改正が議題となったが、韓国との南北統一政策を放棄し、韓国を「敵対国」と明記するための改正についての言及はなかった。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の出席も伝えられなかった。
金氏は1月の最高人民会議で、韓国は「第1の敵対国、不変の主敵」で同族とはみなさないと表明し、憲法の領土に関する条項を改め、平和統一に関連した表現を削除するよう指示。今回の改憲で反映されるのかどうかが注目されていた。
今回、就労の最低年齢や選挙権年齢に関する修正が憲法に反映されたという。国防相を強純男(カン・スンナム)氏から努光鉄(ノ・グァンチョル)氏に交代させる人事も発表された。努氏は2018~19年に現在の国防相に当たる人民武力相を務め、18年に韓国との軍事合意に署名した。