【ソウル=桜井紀雄】韓国最高裁は14日、元慰安婦への寄付金を私的に流用したとして、業務上横領罪などに問われた元慰安婦支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連、旧挺対協)」前理事長の尹美香(ユン・ミヒャン)被告(59)の上告審で、懲役1年6月、執行猶予3年とした2審判決を支持し、有罪が確定した。
尹被告は2020年に国会議員に当選。その直後に「寄付金が被害者のために使われていない」との元慰安婦の告発を受けて捜査が進み、同年9月に起訴された。国会議員は禁錮以上の刑が確定すれば失職する。だが、公判の遅延で尹被告が4年間の任期を全うしたことに批判の声が強い。
尹被告の疑惑浮上後、別の支援団体でも不正が発覚し、韓国で元慰安婦支援運動の実態を疑問視する見方が広がった。
1審では起訴内容の大半が無罪だったが、2審で多くの起訴内容が有罪となった。2審判決は、尹被告が2013年~20年に寄付金を個人口座に保管したなどとして約8千万ウォン(約880万円)を横領したと認定した。