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文在寅・前韓国大統領を収賄容疑の「被疑者」と明記 検察、娘一家への不正支援疑惑巡り

産経ニュース 2024年9月2日 19時5分

【ソウル=桜井紀雄】韓国検察が文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の娘宅を家宅捜索した際、捜査令状に文氏を収賄容疑の被疑者と明記したことが分かった。韓国メディアが2日までに報じた。検察が文氏への事情聴取に踏み切るか注目される。文政権当時与党だった「共に民主党」など野党は「前政権への政治報復」「野党弾圧だ」と強く反発している。

全州(チョンジュ)地検は8月30日、共に民主党の元国会議員が2018年、タイに設立した航空会社の役員に文氏の娘の元夫を不正採用した疑惑を巡り、娘の自宅などを家宅捜索した。元議員は同年、政府系公団の理事長に就任。文氏は元夫を採用するなど娘一家のタイ移住を支援させる見返りに、元国会議員を理事長に任命した疑いが持たれている。20~21年に当時野党だった現与党「国民の力」などが告発していた。

検察は航空会社が給与などとして当時、元夫に支払った2億ウォン(約2200万円)以上が文氏への賄賂に当たるとみている。文氏夫妻は元夫の同社役員採用前に娘一家の生活費を援助していたが、採用後にやめた。文氏と娘一家は経済的に一体関係にあるとして、検察は文氏と元議員に贈収賄が成り立つと判断した。

検察は31日、文氏の側近で大統領府高官だった野党「祖国革新党」の曺国(チョ・グク)代表を参考人聴取した。ソウル中央地検は文氏の夫人の外遊を巡る別の疑惑を捜査している。野党は、検察出身の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領や与党側が捜査を政治的に利用していると主張し、政権や与党との対決姿勢を強めている。

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