【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞など同国メディアは11日、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が3日夜に「非常戒厳」を一時宣布したことについて「独裁の銃剣を国民に突き付ける衝撃的な事件が起きた」と初めて報じた。
武装した軍部隊を国会に投入したものの、約6時間後に解除に追い込まれたことや尹氏の弾劾訴追案の動きも詳細に伝え、尹政権を批判した。
戒厳や弾劾の騒動について「国際社会は、韓国社会の脆弱(ぜいじゃく)性がさらけ出され、尹錫悦の政治的生命が早期に終わり得ると予測している」とも伝えた。労働新聞は北朝鮮住民らも目にする。韓国ドラマなどの流出を通じて住民の間に韓国への憧れが広がっているとされる中、韓国の否定的な側面を強調し、自国の体制の優位性をアピールする狙いもあるようだ。