【ソウル=桜井紀雄】韓国南部、釜山(プサン)近郊の金海(キムヘ)国際空港で28日夜、離陸準備中のエアプサンの旅客機で起きた火災で、尾翼付近の手荷物棚から煙が出て機内に一気に広がったと乗客が証言していることが分かった。韓国の国土交通省が調査官を現場に派遣し、火災原因を調べている。
乗客乗員176人は緊急脱出し、数人が軽傷を負ったものの、いずれも命に別条はなかった。
火災が起きたのは、格安航空会社(LCC)、エアプサンの香港行き391便で、乗客らは搭乗を終えてシートベルトを締めた状態だったという。
聯合ニュースによると、乗客の一人は「後方の手荷物棚からパチパチと音がした後、煙が出て乗務員が消火器を持ってくる間に機内に充満し、棚から火の粉が降ってきた」と出火当時の状況を振り返った。乗客は、手荷物内の電子機器やバッテリーから出火した可能性があると推測している。
機内に煙が立ち込める中、乗務員に加え、乗客らも自ら非常扉を開けて緊急脱出用のスライドを使って次々脱出した。
乗客の中には、中国人や米国人ら外国人もいたが、日本人の搭乗は確認されていない。