韓国で弾劾訴追された尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の支持率を巡り、一部の世論調査で昨年12月3日の「非常戒厳」宣布以降、初めて40%台に達したと、地元メディアが報じた。保守的な論調で知られる朝鮮日報(電子版)は「1カ月でV字回復」と強調している。一方、革新系最大野党「共に民主党」は、この調査を行った機関を公選法違反の疑いで告発する方針を明らかにした。
朝鮮日報などによると、韓国世論評判研究所(KOPRA)が18歳以上の男女1000人を対象に1月3、4の両日行った世論調査で、尹氏を「強く支持する」との答えが31%、「支持する」も9%あった。一方、「全く支持しない」は56%、「支持しない」は4%だった。
一方、政党支持率では「共に民主党」が39%、尹氏が所属する保守系与党「国民の力」は36%で拮抗した。
この調査結果を、共に民主党などは問題視する。
「質問項目の設計などが特定の回答を誘導する形で進められた」
共に民主党の趙承来(チョ・スンレ)首席報道官は6日、記者団にこう述べ、KOPRAに対し、公選法違反の疑いで告発する方針を明らかにした。具体的には、捜査機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」が執行を目指す尹氏の拘束令状について、違法性が指摘されていることを前置きした上で質問している点などを疑問視しているという。
左派系のハンギョレ新聞は7日配信の記事で、KOPRAの調査結果について「極右勢力と与党『国民の力』の支持層で共有され、世論の流れを歪曲している」と非難した。
共に民主党の対応に対し、「国民の力」のメディア特別委員会は「『告発脅迫』で世論調査まで手なずけようとする奸悪な試みと見るほかはない」と反論している。