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19日は国際男性デー、25年で活動拡大し93カ国でイベント 英国では国会でも議論

産経ニュース 2024年11月15日 21時1分

男性の健康と幸福を促す11月19日の「国際男性デー」は、1999年、カリブ海のトリニダード・トバゴで開かれた小さな討論会から始まった。開始から25年で活動は世界へ拡大しており、今年は93カ国で集会やイベントが催される予定だ。

初イベントは参加者10人

国際男性デーの提案者である西インド諸島大セント・オーガスティン校(トリニダード・トバゴ)のジェロム・ティルクシン上級講師(52)によると、初のイベントは、同国の首都ポートオブスペインで開かれたパネル・ディスカッション。男性が抱えるメンタルヘルスの問題に光を当てようと企画したが、参加者は10人ほど。関心の低さに「失望した」と振り返る。

その後、活動は徐々に広がり、オーストラリアでは、2003年に同国初の国際男性デー行事を開催。今年も最大都市シドニーなどで、19日に前後してチャリティイベントなどが行われる。

米国からも賛同者を得て、09年に国際男性デー運営委員会が発足。「男性の健康と幸福の促進」「社会や家庭、子育てなどへの男性の積極的な貢献の祝福」など6項目の活動目標を策定した。翌10年に米国初のオンライン行事が催された。

国連記念日制定の機運高まる

活動が盛んな国の1つが英国だ。大学生の慈善活動から賛同の輪が広がり、現在は推定800超の団体が国際男性デーを推奨する。英国議会は11月19日前後に男性や男児の健康を議論してきた。今年は、サッカーのイングランド・プレミアリーグの強豪、アーセナルと共同したイベントなどが行われる。

途上国への拡大も進む。07年にはインドで初イベントが開催。アフリカのジンバブエでは11年、学校に通わず薬物やアルコール中毒に陥り、就労が困難となる傾向がみられた男児に対しても、女児に対して行うのと同様の「特性に応じた支援」が必要だとの問題意識から、初の啓発イベントが開催された。

活動が広がる中、国際女性デー(3月8日)だけではなく、国際男性デーも国連記念日として制定しようという機運が盛り上がりつつあるという。ティルクシン氏は「世界的な草の根活動」のさらなる広がりに期待を寄せている。

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