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ベネズエラ大統領選で「現職勝利」に抗議する野党候補が「亡命」求めてスペインへ到着

産経ニュース 2024年9月9日 7時36分

【ニューヨーク=平田雄介】南米ベネズエラで7月に実施された大統領選で、現職の強権左派マドゥロ大統領を「勝者」とする選挙結果に異議を唱え、「選挙不正」を訴えていた野党候補ゴンザレス氏が8日、亡命を求めてスペインに到着した。選挙管理当局の職務を侵害したとして逮捕状を取ったベネズエラ検察の圧力を逃れた形。野党側は「正当な勝者」とするゴンザレス氏を失い、マドゥロ氏の来年1月10日の3期目就任に向けた独裁支配体制は強化されそうだ。

ロイター通信によると、ゴンザレス氏は妻と共にスペインの首都マドリード近郊の空軍基地へ到着した。スペインのサパテロ元首相らが非公式ルートでベネズエラ側と出国の折衝にあたった。ベネズエラのロドリゲス副大統領は、「政治的平和」を回復するために、ゴンザレス氏に「安全な通路」を与えたと表明した。

7月28日のベネズエラ大統領選を巡り、マドゥロ氏の強い影響下にある選挙管理当局は集計データの詳細を未公表のまま「マドゥロ氏の勝利」を宣言した。野党側は、電子投票機の約8割から回収した集計データをホームページで公開し、ゴンザレス氏が得票率67%で圧勝したとしている。

選挙結果について、米国や欧州連合(EU)、アルゼンチンなどが「ゴンザレス氏の勝利」とみる一方、ロシアと中国、キューバなどが「マドゥロ氏の3選」に祝意を示した。マドゥロ政権は、野党側の「選挙不正」があったとする抗議デモを、「右翼の破壊活動」とみなして弾圧している。

ゴンザレス氏を支援するベネズエラ野党連合の有力指導者マチャド氏は、亡命について「ゴンザレス氏の自由と人生を守るため」と擁護したうえで、マドゥロ政権に対する「闘い」を共に続ける考えを示した。

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