【カイロ=佐藤貴生】イスラエルの軍事作戦によってパレスチナ自治区ガザへの支援物資搬入が停滞した問題で、バイデン米政権は12日、イスラエルが事態を改善する措置を講じたと明らかにした。バイデン政権は改善がなければ、イスラエルへの軍事支援を停止する可能性を示唆していたが、継続されるもようだ。
イスラエルは10月上旬、ガザ北部の一部を包囲して新たな作戦を開始、物資の流入が大幅に減少した。バイデン政権は10月13日、事態を30日以内に改善するよう求めていた。ロイター通信によると、米国務省のパテル副報道官は改善の期限に当たる11月12日、「いくらかの進展」があったとの見方を示した。
米国は支援物資を積んだトラックを1日350台以上、ガザに入域させるよう求めているが、人道支援8団体によれば「1日平均42台」しか入っていないという。2023年10月の戦闘開始前は1日500台が入域していた。
ガザでの人道危機を憂慮するトーマスグリーンフィールド米国連大使は12日、イスラエルに対し、ガザ住民を強制移住させるなどの事態があってはならないと警告した。