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イスラエルがレバノン首都を報復攻撃 ヒズボラ幹部が標的、米制裁対象のナンバー2か

産経ニュース 2024年7月31日 7時4分

【カイロ=佐藤貴生】レバノンの首都ベイルート南郊で7月30日夜、大きな爆発があり、イスラエル軍は親イラン民兵組織「ヒズボラ」の幹部を狙って攻撃したとの声明を出した。イスラエル占領地ゴラン高原で27日、ロケット弾攻撃により子供ら12人が死亡したことへの報復だとしている。

ロイター通信が伝えた。ヒズボラは「事態を悪化させる」と非難し、レバノン首相府も「犯罪行為」だと述べた。イランやイエメンの民兵組織「フーシ派」も攻撃を批判しており、パレスチナ自治区ガザの戦闘に続いてイスラエル・レバノン国境で戦闘が激化する恐れがある。

イスラエル有力紙ハーレツ(電子版)は事情筋の話として、標的はヒズボラのナンバー2で軍事作戦を指揮するフアド・シュクル幹部だったと伝えた。米国は2015年に同幹部を制裁対象に指定した。複数の治安筋が生存していると述べたが、詳細は不明。

イスラエルが攻撃を認めることは珍しい。ガラント国防相は「ヒズボラはレッドライン(越えてはならない一線)を越えた」とX(旧ツイッター)に書き込んだ。

レバノン政府によると、攻撃で少なくとも3人が死亡、85人が負傷した。現場はヒズボラの支配地域にある市街地で、通りにはがれきが散乱して爆発の威力を物語っていた。オースティン米国防長官は事態の悪化に懸念を示す一方、戦闘の激化は避けられるとの考えを示した。

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