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相次ぐ出国要請、航空便は運休…中東で高まる緊張 イランなどの攻撃懸念

産経ニュース 2024年8月4日 20時29分

【カイロ=佐藤貴生】イランや親イラン民兵組織ヒズボラなどがイスラエルを攻撃すると表明したことを受け、米英両政府は4日までに自国民に対し、レバノンから出国するよう呼び掛けた。攻撃が始まればヒズボラが拠点を置くレバノンの治安状況が悪化するとみている。攻撃開始は迫っているとの観測もあり、緊張が高まっている。

英BBC放送(電子版)によると、英国は「(中東の地域情勢が)急速に悪化しかねない」と警告しており、レバノン滞在中の英国民に対し「民間航空便が運航している間」に出国するよう求めた。米国も可能な限り早期の出国を呼びかけた。

カナダ政府も「交戦が深刻化すれば出国に影響が出る」と指摘し、イスラエルへの旅行を避けるよう自国民に求めた。イスラエルやレバノンに向かう欧米やアジアの民間航空機には運休が相次いでいる。

米ニュースサイト、アクシオスによると、米国やイスラエルの複数の政府当局者は、早ければ5日にもイランがイスラエルを攻撃するとの見方を示している。

7月末にイランでは訪問中だったイスラム原理主義組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏が、レバノンではヒズボラの幹部が殺害された。イランとハマス、ヒズボラは2つの事件はともにイスラエルが関与したと断定、報復を誓った。

一方、イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザへの攻勢を強めており、3日には住民らの避難先になっていた学校に空爆を行い、少なくとも17人が死亡した。イスラエルはヨルダン川西岸でも攻撃を続けているもようだ。

イスラエル最大都市テルアビブなどでは3日、ガザに連行された人質を救出するため、ハマスと停戦するようネタニヤフ政権に求めるデモが行われた。

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