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イスラエル、ハマス最高指導者を殺害 首相は「悪に打撃与えた」 米は停戦交渉推進の構え

産経ニュース 2024年10月18日 7時11分

【カイロ=佐藤貴生】イスラエル軍は17日、パレスチナ自治区ガザへの攻撃でイスラム原理主義組織ハマスの最高指導者、ヤヒヤ・シンワール氏を殺害したと発表した。昨年10月7日にハマスが行ったイスラエルへの大規模襲撃の首謀者とされ、同国にとっては戦闘開始以来、最大級の成果となった。

イスラエルのネタニヤフ首相は「悪に打撃を与えたが、任務はまだ完了していない」と述べ、約100人とされる人質全員の帰還まで戦闘を続けると言明した。バイデン米政権は停戦の好機だとして交渉を推進する構えだが、戦闘が終結するかは見通せない。ネタニヤフ氏とバイデン大統領はシンワール氏の死亡確認後に電話で会談した。

ロイター通信によると、イスラエル軍は16日のガザ南部ラファでの地上作戦で「3人の戦闘員」を殺害したとし、シンワール氏が含まれている可能性があるとしてDNA型鑑定などで身元確認を行っていた。

欧米メディアは、シンワール氏とみられる遺体ががれきに埋まっているのを兵士らが見つめる軍発表の写真を掲載した。

ガザの責任者だったシンワール氏は、最高指導者だったハニヤ氏がイラン訪問中の7月末に殺害されたのを受け、後継者となった。イスラエルの暗殺対象リストのトップに名前があったとされ、軍などはガザの地下トンネルに潜伏しているとみて行方を追っていた。

カタールなど海外を拠点に停戦協議に参加していた幹部らに、停戦に応じないよう主張した「強硬派」として知られる。

英BBC放送(電子版)などによると、シンワール氏は1962年、ガザ南部ハンユニスの難民キャンプで生まれた。ハマスではパレスチナ人スパイの摘発を進め、多数のスパイを残忍な方法で殺害。イスラエルで収監され、20年以上を獄中で過ごした経験がある。

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