【カイロ=佐藤貴生】国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリニ事務局長は1日、パレスチナ自治区ガザへの人道支援物資をケレムシャローム検問所から運び入れるのを一時停止するとX(旧ツイッター)に投稿した。この検問所から入域したトラックが「武装したギャング」に襲撃されるケースが続いているためだとした。ロイター通信が伝えた。
検問所はイスラエルが管理するガザへの物資搬入の主要ポイント。ラザリニ氏によると11月30日、この検問所から食料を積んでガザに入ったトラック数台が襲われ、物資が奪われた。このルートでは11月16日にもトラックの車列が襲撃されて物資が盗まれたという。
ラザリニ氏は「(ガザでは)飢えが急速に深刻化している」と懸念を表明。支援組織の職員と供給物資の保護は「占領国であるイスラエルの責任だ」とし、安全を保証すべきだと主張した。イスラエル軍は搬入を妨害していないとした。
イスラエル軍は1日、ガザ全域で爆撃を続け、少なくとも20人が死亡したとされる。イスラエル軍とガザで戦うイスラム原理主義組織ハマスは1日、停戦について仲介役のエジプト政府当局者と協議したという。